京葉ガスグループ

温泉とともに湧出する資源をエネルギーに
地域のガス会社と協力したメタンガス活用

静岡県焼津市
京葉ガスエナジーソリューションでは、東海ガスが2021年に掘った井戸「焼津港1号井」から出る温泉に含まれる天然ガスを回収し、都市ガスを製造するための設備を建設しました。今回は、井戸掘削からガス製造設備建設を担当した竹村昌徳供給保安部長に、事業の経緯や今後の展望について伺いました。

事業プロセス

  • 設備検討
  • 実現性や
    予算検討
  • 資材調達
    建設工事
  • 運用開始

事業のきっかけ

地域を支える「温泉」を確保するための井戸で
高純度なメタンガスを活用したい

焼津市では、地下から湧き出る温泉を観光資源として活用していましたが、井戸からの湧出量が減少傾向にあり、周辺施設への供給が滞る恐れがありました。そこで、東海ガスでは焼津市との協議により、新たな井戸(焼津港1号井)を掘削することになりました。
新たに掘削した焼津港1号井から湧出した温泉随伴ガスの成分を分析したところ、非常に純度の高いメタンガスであることがわかったため、都市ガスとして活用できないか?と検討を始めたのが、メタンガス活用のきっかけです。

京葉ガスエナジーソリューションを選んだ理由

ガス製造の専門家であるだけでなく
自社得意分野との役割分担のしやすさが決め手に

東海ガスでは、井戸からのガス採取、温泉採取に関しては社内で蓄積したノウハウがありますが、都市ガス製造などは長らく行 ってこなかったこともあり、専門とする企業のサポートを必要としていました。京葉ガスエナジーソリューションは、そのような役割分担の要請にも快く応じてくれたのが、パートナー業者選定の決め手になりました。

東海ガスの竹村部長

実際のプロジェクトを進める中でも、私たちの様々なリクエストにも応えてもらえたので、大変助かりました。
また、プロジェクト推進時は、専門家の視点ならではの設計や調達スケジューリング、施工管理などを通じ、タイトな期間の中でも運用開始に向けて尽力いただきました。

現在の取り組み状況

年間約1800世帯分のガス量を生産
低炭素化やエネルギー地産地消につなげる

焼津港1号井の1日当たりの産ガス量は、一般家庭が1年間で使用する都市ガスの5世帯分に相当し、年間産ガス量では約1800世帯分になります。東海ガス全体が扱うガス量からみると、決して大きな量ではありませんが、地域資源を都市ガスに活用することは、地域創生や持続可能な社会につながると考えています。

設備管理システムを操作する竹村部長

今後の展望

「その他未活用資源」もエネルギーに変え
さらなる地域活性化への貢献を目指す

「焼津港1号井」でのメタンガスを活用した都市ガス製造の成功例をもとに、これまで使われず大気放散されていた液化天然ガス(LNG)ローリー内に残存するBOGを回収して都市ガスに活用する新たな取り組みを検討しております。 また、ガス会社としては、都市ガスだけでなく、ゼロカーボンや観光産業に貢献することで、地域活性化に寄与していきたいと考えているため、今後も地域創生につながる取り組みについては強化・アピールをしていきたいと考えています。

温泉の利用

温泉は貴重な観光資源として有効活用

焼津温泉では無料で体験できる足湯をはじめ、リゾートスタイルのホテルから日帰り温泉など様々なスタイルで温泉を楽しむことができます。

静岡県焼津市

静岡県中部に位置する焼津市。国内有数の遠洋漁業の基地である焼津港はカツオやマグロの水揚げが盛んで、水揚げ高7年連続日本一。駿河湾のサバやアジ、桜エビ、シラスなども水揚げされ、市内の飲食店には新鮮な魚介類を求め、市内外から多くの人が訪れる。また、地下1,500mから湧き出る焼津温泉は貴重な観光資源として地域振興に寄与している。

取り組みに関連する事業詳細

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